東京湾アクアラインおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの東京湾アクアライン成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の東京湾アクアラインおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.5 1 東京湾アクアラインアニメランキング1位
クオリディア・コード(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (656)
3208人が棚に入れました
人類の敵――〈アンノウン〉と戦争を続ける世界。

 数十年前の〈アンノウン〉侵攻時、コールドスリープ施設に避難させられていた子供たち­は、その眠りから目覚めたとき、己の身に超自然的な力――〈世界〉が発現していること­を知る。東京湾ゲートから現れる〈アンノウン〉から国を護るため、少年少女たちは東京­・神奈川・千葉の各防衛都市で戦いを繰り広げるのだった。

東京をさがら総、神奈川を橘公司、千葉を渡 航が担当し、
“QUALIDEA”を作り上げる。

声優・キャラクター
悠木碧、福原綾香、斉藤壮馬、石川由依、内田雄馬、安済知佳
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局無難なお話でしたが、観て損というわけではない。

12話{netabare}
大方の予想通り、葵が最後にアンノウン側に寝返り敵となったが、最後
のバトルはあっけなく地球を代表する6人がアンノウンを殲滅に追い込ん
でめでたしめでたし・・・。1クールで無難にまとめた感じがします。
最後はカナリヤの歌が皆に勇気を与えて大逆転勝利っていうシナリオなん
だろうけど、無難で陳腐すぎ・・・尺の関係もあるから仕方ないのかも
しれないが、最後のバトルはもう少し中身のあるバトルにして欲しかった
感じがします。作画は良くなかったけど、そこそこ楽しめたので、この
作品はそれで良しってことにします♪{/netabare}
11話{netabare}
いよいよ戦いは佳境に入りました。千種のお母さんが負傷して、6人は
アンノウンとの戦いに向かう。葵は最後になにかしでかしそうな感じが
漂っているが、コールドスリープの子供達は助けられるのかな?
アンノウンの侵略の事情ももう少し詳しく知れたらよかったが、概要は
つかめた感じで、ストーリーはいいんだよね。作画はいつも通りでした。
これ、DVDで作画直したりしないよな・・・。{/netabare}
10話{netabare}
どうも作画の雑さが際立っていたように感じます。引きの作画は適当
なのか・・・背景もなんらこだわりのない殺風景な感じが目立つし、
アップの作画以外は気になって仕方なかったけど今に始まったこと
でもないから・・・で済まないよなぁ・・・。千種兄妹のお母さん、
ちょっと無駄に明るすぎてうるさい。カナリヤ一人で勘弁して欲しい。
さて、本当の戦いはこれからなのだろうが、日本に残るコールドスリ
ープに入った子供たちの救出は可能だろう。しかし、コードをつけている
仲間達は殺すわけにはいかないよな・・・。面白いストーリーだし、
キャラの個性も好きなんだけど、ほんと作画がね・・・毎回言うけど
もったいないよ。{/netabare}
9話{netabare}
カナリヤが戻ってくるまで、じっくりと作ったね。見えている世界は
偽物で、真実は植物系の何かに浸食されている感じでしたが、アンノ
ウンに見えていたものは、実は本当は人間の姿なのかな?そして、管
理局で視覚を制御されている者は、人間がアンノウンに見えて、侵略
者が人間を操作し滅ぼそうと画策していたってことかな・・・。
いずれにしても、なかなか面白い内容なのに、作画が相変わらずで惜
しいね。{/netabare}
8話{netabare}
この世界が人為的に作られ操作されている世界だとしたら、その理由は
なんだろう。ここにきて話の内容が興味深くなってきました。本当の
世界があるのでしょうか・・・そしてそれはどのようにして掴み取ること
ができるのでしょうか?首の後ろにあるチップが空想?世界の原因だと
思うが、もしかしてアンノウンの方が現実世界からの使者だったりする
とか・・・考えすぎかな?後半になってグッと作品の重みが出てきたね。
見続けて良かったです。{/netabare}
7話{netabare}
ほたるが舞姫の危機を救うが、ラストはどういうことだ?舞姫のコード
板がアンノウンに撃たれてから、姫の力が一気にダウンしたということ
は姫はどうなるのか?本部で管理するための電子的識別コードだけの意
味あいじゃないのかな?ちょっと謎。そもそもQualideaって英語は無い
し、これはいったいどういう意味なのかな?Qualifyって動詞があるけ
ど、名詞・形容詞形は―deaが語尾に付く形はないし・・・なんだろね?
英語じゃないのかな?謎だったため、外国のwikiでも調べたが、タイト
ルは、Kuoridia-code? みたいになってて、ローマ字表記でした。
あまりこだわる必要も無いのかもしれないけど気になります。ちょっと
謎が多いので、最後まで観ますw 結構面白くなってきましたが、これ
で、ほたると舞姫まで消えてしまうとか無いよな・・・。なんか見落と
してたかな?録画を観直している時間がないから、次週注目します。{/netabare}
6話{netabare}
アンノウンの大襲撃の指揮にあたる舞姫の過去のエピソードを挿入した
戦闘シーン。舞姫の正義を貫く熱い血は祖父譲りなんだね。そして、仲
間を信じ仲間の為に戦う熱い気持ちの根底にはほたるとの絆が存在して
いて、それはそれで美しい話だと思った。壱弥はただぶち切れてしまっ
たが、戦っているだけマシだなw 次週はほたるちゃんが加勢して、千
種兄妹が東京に到着して、どうにかなるのか?40分もたせれば大丈夫と
いうことだったが・・・。{/netabare}
5話{netabare}
壱弥のカスっぷりは半端無いな・・・。最初の威勢はどこへやら・・・。
ただ、壱弥が塞ぎこんでるおかげで、千種兄妹の会話が多くなり面白い。
明日葉の『うける』を聞くとちょっと笑っちゃう。姫はいい子だね~。
でも、心に深い傷があるようだ。ところで・・・カナリヤはどうなった
んだ?作画は相変わらず所々手抜きっぽいとこあるな・・・w{/netabare}
4話{netabare}
壱弥の最初の傲慢さの必要性は理解できた。壱弥が仲間の重要性を知り
丸くなる所までの4話ですな。しかしさ、やっぱ舞姫が一番強い感じが
します。だけどさ・・・どうやってやっつけたのさ?肝心のとどめの
一撃が作画されなかった理由が分からんな・・・。止め画で戦闘終了し
いきなり舞姫の勝利宣言って・・・あまりにも手抜きすぎないか?
あと、戦闘に歌が出てくるのは好きじゃないな・・・。なんか調子狂う
よ。千葉の兄妹はいい味出してるよね。いいとこもあるけど、荒削りな
面も多くて・・・、でももう少し見ちゃうかなw。
カナリヤはどうなったんだろうか・・・?{/netabare}
3話{netabare} 
相手の力量も測れないような首席でいいのかな?・・・と思いつつ、カナ
リアの歌が止まると、壱弥の戦闘能力が存分に発揮できないことが露呈し
た。その程度であの自信は過剰だよね。舞姫の方が断然強そうだな。
ただ、壱弥はいいとこある奴だということは分かった。強大なUNKNOWNに
対し、3校でどのように戦うのか、次週注目って感じですね。舞姫だけで
勝てんじゃないのかな?・・・とも思いつつw{/netabare}
2話{netabare}
壱弥が1話ほど強烈でなくなったので見易かった。これくらいの気性の悪さ
なら十分耐えられる。霞の存在が壱弥にマイルド感を与えていい関係に思え
る。ある程度メインキャラの紹介は済んだ感じでしょうか。そこそこ楽しめ
そうなキャラの集まりだということが認識できました。あとはストーリーが
どうなっていくのか・・・。{/netabare}
1話{netabare}
まず壱弥が胸糞悪くて嫌い。とても酷い性格で気分を害する。そういう
性格になった訳もあるんだろうけど、これがメインキャラだと、観る気が
失せそうだ。キャラ画もかなり雑な部分が目立つし、戦闘と爆破の作画に
関してはそこそこ力が入っているようだけど、決して綺麗な画ではない。
話もたいして面白くないし、UNKNOWNとの闘いの中で繰り広げられ
る人間模様に興味をそそられない。
別に視聴継続しなくてもいいかな・・・と思うような1話だった。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

オマージュの果て

【2016.09.30 少し修正整理】

作画が弱いと一目でわかる。それだけに、これさえなければという印象を持ちがちなのだが、本当にそうだろうか。


序盤の設定を見ると、いわゆる「テンプレ」の、異能で世界を守る学生ヒーローもので、主要キャラクターたちも人気のライトノベルからピックアップしてきたような類型性を強く漂わせている。
だが、無自覚に類型をなぞった安直さよりも、妙に自信のありげな、確信犯的な迷いのなさを感じさせるものだ。


{netabare}創作物は先行作の影響の上に誕生してくるものだが、「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、おそらく「セカイ系」を源流としている。

社会領域を排除し、キミ/ボクのセカイが世界の存亡という破滅的状況と直接に重なる「セカイ系」は、さらに遡れば『新世紀エヴァンゲリオン』にたどり着くだろう。

正体不明の由来のしれない圧倒的な暴力が理不尽に襲い掛かり、破滅寸前である世界を救うため、基盤も仕組みも分らない「陰謀組織」の得体のしれない権力が、少年少女を意義の不明な死闘へと駆り立てる『エヴァンゲリオン』世界。

ここから、子供の目には理不尽な運命を残酷に押し付ける得体のしれないブラックボックスのような「陰謀組織」に見える「社会」を、すっぱりと整理して消去し、子供の「理不尽なセカイ」と「理不尽に破滅する世界」を二重化する方向へ純化したのが「セカイ系」と言えるだろう。

そして「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、「セカイ系」から、キミ/ボクの関係が世界の命運を決定する=ボクの行動がそのまま世界をコントロールしているという、幼児的な「全能感」の快楽だけを抽出して消費する、「セカイ系」の自堕落な頽廃形態を量産するための「テンプレ」として生じているようだ。

本作の設定やキャラクター造形は、明らかに「テンプレ」をなぞっているのに、「セカイ」の造形に「陰謀」的な得体のしれなさを匂わせることで、「セカイ系」の更にその源流の先行作へ向けてオマージュを捧げているような、意図的な作為感を漂わせる。

この印象は、中盤から終盤にかけ、この「世界」が、「学生」の全能感のための「テンプレ」ではなく、学生を支配下に置くための舞台装置であったことが暴露されることにより、やはり先行作品へのオマージュないしは回答であったからだ、と示しているように思う。

「テンプレ」を疑わずに「学生」に感情移入して「世界」の支配感を甘受していた視聴者は、「世界」の最下層を支える部品に過ぎなかったという「真の」設定を前に、衝撃を受けることになる。


このような仕掛けにもかかわらず、本作が退屈で雑な視聴感しか与えないのは、設定やストーリーに注力しているように見える割に、アニメというビジュアル表現に対して意識が不足しているような印象を感じさせるからだ。

それは、作画が乱れている、といった水準の話ではない。

明らかに戦闘に不向きなスクールユニフォーム的な制服で戦闘する。
人間が無造作に空中浮遊し、自在に空を飛ぶ。
掌をかざしたり、剣を振るだけで遠距離の巨大な敵が爆発する。
等々…

セリフがいかに勿体ぶって意味深長であろうと、それを表現するビジュアルがこのように安易で工夫のないものであれば、アニメという映像表現として説得力が激減するだろう。

異能力によって空を飛んだり敵を爆破するのはいいとして、そこに超常的な力が作用しているのだという映像上の表現が無ければ、他人の夢を説明無しに見せられているようなもので、「凄いことが起きている」という作中の状況に対して白けた距離感しか生まれない。

明らかに映像表現として質を高めようという意図の見えないビジュアルは、そもそもこのストーリーをアニメとして表現しようとする意欲があったのかとさえ疑わしく感じさせる。


そのストーリー自体も、ビジュアルが「テンプレ」の約束事に寄りかかって工夫を放棄した安易なものであったように、やはりオリジナルな工夫は無かったのだとラストで暴露される。

キャラクター各人の異能を「せかい」という明らかに不自然で耳障りな用語で表現していたのは、この「セカイ/世界」が、個々人のセカイ=価値観の闘争の場であると示したかったからであるようだ。

だが、価値観の相対的な優劣が「世界」を形作るとは、現実の価値相対主義を単に追認しているだけであって、改めて創作物として世に問うような何らかの「作家的主張」でも新たな「知見」でもない。

しかも、オマージュを捧げた先行作において、理不尽な暴力をもたらす「敵」が本質的に理解不能な「謎」の存在であったのに対し、説明の可能な侵略行為という「理解可能」な「敵」を設定することで、「異次元」の敵との闘争もまた、価値相対主義に回収されてしまう単なる価値観の闘争という現実の物まねに矮小化してしまう。

先行作に対して「説明」という「回答」を返したように見えるものの、先行作が、価値相対主義の現実を「理解不能な敵」を創造することで撃とうとした地点から、完全に後退してしまっている。

その「価値相対主義」も、結局のところ徹底的に闘争されることはなく、「大人」から勝利を「禅譲」されるようなラストが、本作を、安易で自堕落な「全能感」の満足へと着地させる。

大人と若者の間の壁は普遍的で、若者はいつの時代も「壁」を越えようとする。

本作においても、大人の「世界」を打ち破り、「若者」の世界を創造する「進化」を描こうとしたのかもしれないが、ギリギリの最後の最後で「大人」が退いて勝利を譲るような描写は、近年の若者の主張が、大人との闘争を避け、「居場所を「譲って」くれないのはおかしい」、「後進に道を譲って「くれない」のは間違っている」という「要求」である事態を追認しているとしか見えない。

「要求」する若者が「闘争」しようとする若者の足を引っ張る現実に背を向け、消費者根性が染みついた「要求」を描いてしまう本作は、挑戦的な見せかけにもかかわらず、幼児的な「全能感」の満足を企図した「テンプレ」からやはり脱してはいなかったのだと落胆させる。


ストーリーの貧しさに加え、映像表現の貧しさが、単なる娯楽として視聴することも不可能にした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

waon.n さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

清々しいほど分かりやすい

 キャッチしている人のレビューみて気になったので、観はじめたら止まらないで一気に視聴してしまった。
 別にラノベ原作だからとかでスルーしていたのではなく単純に気づいていなかったんだよな。ということで、少しでも認知されるべくレビューを書きたくて仕方のないそんな作品。
 ただし!
 別に素晴らしい作品というわけでもないのがじれったい。
 そして、なんかレビューしたくなる作品だったことをここに記す!

ライトノベルが原作。
 物語は、終末後の世界感で非日常であり、完全なファンタジー路線ではあるものの、学生をメインに持ってくることで、日常を同時に描きつつラノベらしい長ったらしいセリフ回しの会話劇を楽しめると妙な没入感に浸れる。
 この長いセリフ回しを演出で全て回収しているのが化物語っている化け物みたいなすごいアニメもあるけれど、そこまでは期待してはいけない。

 このアニメをレビューするにあたり調べてみたところ、どうやら、ラノベ界では有名人の3人が別々のレーベルから同名の作品を出すという新しい試みから生まれたものらしい。
 作者によって描く主人公が違うという点はまず抑えておきたいポイントだろう。ちなみにこのなかの3人では渡航しか知らなかった。言わずもがな『俺ガイル』の作者だ。

ライトノベルが原作だということは
 ライトノベルの特徴としては、現実逃避感が他の作品よりも色濃く出てる。これは割と謎の現象だとずっと思っている。
 そして、私としては一番ラノベ原作アニメの好きなところでもある。
 ちなみに、現実逃避感=世界観の破綻ではないので誤解のないように。悪い意味のように聞こえるかもしれないけれど良い意味のつもりで書いている。
 だからここが受け入れられない人は世界観が破綻しているように見えるし感じるしつまらないものになってしまうのだろう。
 そもそも、映像作品であれば、どこかに現実逃避したい欲求があるだろうに、なにも隠すことはないと思うのだがな(揶揄)。
 もちろんなかには本当に破綻しているものも少なからずあるから、アレルギー反応的に見ないという層があるのも納得できてしまうのも悲しい。
 しかし、この現実逃避モードに入ってしまい、没入感に浸ってしまうと、最終回にはあーもうこの仲間たちと物語を楽しめるのはこれでお終いかと喪失感が半端ない。
 これをのんのんびより病ともいう(いわない)。
 この作品の最大の魅力はここにあると私は思う。ただし! この没入感へ誘われることができるのは一握りの上級者のみ……(良いか悪いか判断できない)。

キャラ設定のバランスが良い
 強い個性を持ったキャラが登場するのは割とライトノベルらしさの一つで、ここイコールで作品の魅力として読まれているものもあるだろう。面白いかは別にして。
 今回の作品では東京、神奈川、千葉と3つのグループに分かれていて、それぞれがペアのような形で戦闘をおこなったり日常を楽しんでいる。
 このペアリングを紹介しよう。

まずは東京!
 主人公タイプの男で中二病とドジっ子でヒロイン。
 王道ラブ個風。

次に神奈川!
 脳筋元気少女と冷静だが主席の全てを肯定する女。
 百合っぽい。
 
そして千葉!
 ネクラ兄とツンデレ妹。
 どっかでみた兄妹……千葉でヒッキーで妹的にポイント高そう。

 キャラ設定と、ペアリングがある程度考えられているのも見どころであるが、さらに中二とネクラのやり取りはBLへの守備もカバーしているようにも見えなくはない。(ここ試験に出ます)

主人公が変わっていく構造。
 これは新しい試みのためにそうなったと思っているというかそうせざるを得ないのが、主人公は誰? って話。
 それぞれの本で主人公がいてそれを一つの話にまとめるとなると、ブレる。だから最初から序盤は東京、次に神奈川、最後は千葉で、みたいに恐らく決まっている。もしかしたら原作の段階でもそういうプロットになっていたのかもしれない。

 実はすごく難しいけれど、やっぱり作家なのかね、ちゃんとまとめきった感じはある。この構造も話の流れからすると凄くフィットしてるから不自然にならずに普通にやられたって感じだった。
 んな簡単に壊れるかい! ……みたいなツッコミを入れたくもなったけれどね。タイムスケジュール的に難しいだろうというところか。
 でも、「作画が良かったらな」とも不思議と思わない。そんなの抜きで面白かったと言える。

 いつもなら、絵ガー、音ガーとかそんなレビューもするんだけれど、あんまり書きたくないっていうのが正直なところ。
 作画の良い例と悪い例の両方を2:8位の割合で楽しめるのでおススメだ。この対比が良い所を際立たせることに成功している……もうやめよう。
 きっと複数レーベルに渡ってチェックしていたらあれ?? 思ったより時間取られるからちゃんと描く時間ないね。って感じだったことにしよう。

 ちなみに音楽は謎に力を入れていて、OPもEDも12話なのに変わってたような気がする。っていうか全部良いよ。カッコいい。ClariSとGARNiDELiAが一緒に歌うとかちょっとやってくれた感ある。

 さて、ここまで読んでもらえたらきっとこの作品を観たいと思ってくれることだろうと期待してネタバレはなしで書いてみた。見たことない人がここまで読むかという根本的なところもある。

 早く書きたかった理由はここで、作画が駄目だからこの作品はダメだとかラノベ臭が半端ないからダメだという意見に飲まれてほしくないという理由からだった。睡眠時間をちょっとずつ削って二日かけて書いてみました。どうぞこの下にあるハートマークをダブルクリックしてください。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

78.6 2 東京湾アクアラインアニメランキング2位
機動警察パトレイバー the Movie(アニメ映画)

1989年7月15日
★★★★★ 4.1 (384)
1834人が棚に入れました
すべてが朱に染まる夕暮れ、篠原重工の天才プログラマー・帆場暎一が、バビロンプロジェクトの要となるレイバー用海上プラットホーム「方舟」から投身自殺する。その口元に嘲りの笑みを浮かべながら…これが、すべての始まりであった。時期を同じくして、レイバーが突如暴走する事件が多発、遂に自衛隊の試作レイバーまでが暴走事件を起こす。特車二課第1小隊は、近々正式配備される新型パトレイバー(通称「零式」)に関する研修中のため不在。単独で暴走事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始め、原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、辻谷耕史、辻村真人、小島敏彦
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

人にアニメ作品を勧めるときにまずこの作品をおすすめします。

羽海野チカさんの『スピカ』に収録されていた「イノセンスを待ちながら」を読んで興味が湧き、初めてこの映画を観てみました。それからも、ふと思い出してみては何度も観ている大好きな作品です。

 科学技術が進む中で二足歩行型ロボットである「レイバー」の製作に成功し、それに足並みを合わせるかのように町の開発も進んでいく、まさにその過渡期の東京を舞台にした話。近頃、安全だと信じられていたレイバーが暴走する事件の増加に疑問を持った篠原という若い男が事件解決に取り組みます。
 何が原因で、誰の策略でなんてことをいちいち細かく調べていく過程は観ていて面白いし、それがだんだんと明らかになってくるストーリーも流石です。さらに作中に出てくる人たちもその描かれ方は非常に繊細で、1人1人がその息遣いまでもが分かるくらいにリアルに描かれています。
 まるで本当にこんなことがあったかのような強い現実感を帯びた物語は風化することなく、今の僕らにも十二分に楽しめます。

 「現実的」この言葉がいろんなところでしっくりとくる映画です。レイバーが大量生産され、工業化は大きく進んだけれどそれはすべてではなく、同心円状に街は開発されていったのでその周りには、この映画の製作年代の1980年代の趣のある街並みがまるで見捨てられたように印象強く残っています。
 それはたとえば夏。凌ぐことのできない暑さに加え、容赦なく照りつける太陽の光を心の底から憎む季節。そこにはクーラーのひんやりとした涼しさはなく、ただただ暑さを耐えるだけで途方がなく、救いもない。目線を上げると20メートル先の景色が少し歪む。そんな夏をスーツ姿で背広を肩にかけ、敷き詰められた木造住宅街を歩くシーンはそれそのままのように感じます。
 「ちょっと前まではこうだったよ。」なんてどこかのサラリーマンが言いそうな映像です。しつように描き込まれた風景は既視感を生んだり、または人の想像力を限りなく現実に近づけてくれる装置となり、僕らはこの作品によりのめり込み共感していくことができます。
 他にも篠原の事件解決までの道のりでの上からの圧力などの障害や、後藤刑事のすること成すことが、そこにあるべき不自由さを持って描いているので非常に現実的です。

 一見の価値があるかどうかまでは分からないけど、「何か面白い作品ある?」と人から訊かれたときには必ず『GHOST IN THE SHELL』と一緒にこれを勧めます。面白いですよ。いやいや、ほんとに面白いんだって。

{netabare}

 箱舟に乗り込んでから、泉が帆場のところに向かってそこに大量の鳥しか発見できなかったときに篠原に報告した言葉「ここに人間なんていないわよ!」。僕はこの言葉がずっと頭に引っかかっていました。ここでこんなことを言うなんて何か変だと思いませんか?他にも言い方はたくさんあっただろうし、なんというか抽象的で暗喩的。んー、なんでだろうと思いながらひとつ思い当りました。それは一体なんだったのか。

 冒頭のシーンで帆場は笑みを浮かべて自殺しました。レイバーの暴走が起こることを確信し、自分を蔑んだ者たちに復讐ができるから。その悪意に満ちた計画こそがこの事件の核心でした。そう、彼が死んでも、肉体が水圧で潰され跡形もなくなろうと彼の計画は、その悪意だけはこの世で生きていました。
 そしてそれは実際に起ころうとしていました。特車二課の彼ら有志諸君は箱舟に到着し帆場の反応を発見し泉をそこに向かわせます。そこで泉が見た不気味に赤く目を光らせたたくさんの鳥たちは、まさしくそれを象徴していたのではないでしょうか。
 「人間なんていない。」じゃあ何がいたのか。それは鳥の形を模した”悪意”でした。
 人は死んでもこの世に何かを残せる。非情に前向きな文句だけれどもそれは憎悪や悪意も同じこと。死んでも死なない観念は計画としてじっとそのときを待ち、悪霊のように鳥の形をしてこの世に住み着いていました。
 鳥は空を飛び回ります。僕らはそれを日常生活でも頻繁に目にします。彼らは空を自由に行き来し、世界のあらゆるところを飛び、街の中にもごく普通に存在します。意味は異なりますが『グレート・ギャッツビー』もしくは『華麗なるギャッツビー』のT・J・エックルバーグ博士の眼や、『1984年』の冒頭でウィンストンが見るポスターの眼、さらに"ビッグ・ブラザーズがあなたを見ている"の文句、『空の境界 第5章』の巴がコルネリウスを街中で見かけたときに彼の後ろにあった両目の看板のように、この鳥たち(もしくは悪意)も僕らのすぐそばで、その両の眼で「あなたを見ている」のです。その隙を窺っているのです。押井監督がどういう意図で意図的に鳥を使っているのかは知りませんが僕はこう思う次第です。

 この映画で示した、今まで安全安心だと自分が信じていたものが突然裏切り攻撃してくるのも非常に怖いもの。
そこに付け込んできた帆場の計画は相当残虐な事件となり得たでしょう。その度合が悪意のそれだとするならば、この世に残った悪意もちょっとやそっとのものではなかったです。
 おぞましき悪意は果たしてここで消えたのでしょうか。いいえ、この社会に根付いた悪はとても深い。終わりのない人為的なカタストロフは主役を変えて繰り返され続けます。この社会ができたときからすでにそう運命づけられているのです。それは次の映画でも証明されます。

でもまあ、そんなこと考えずともこの作品は単純でいて面白いですよね。うんうん。ホント好き。
{/netabare}

余談

 本作にはオリジナルバージョンとリニューアルバージョンがDVDまたはブルーレイに収録されています。オリジナルバージョンは劇場公開されたとき(1989年)の映像そのままです。リニューアルバージョンは1998年に音楽・効果音を録音し直し、さらに再アフレコをしたものです。
 で、どちらが良いのかというと一言ではとても言いにくい。実際に比べてみると、オリジナルはリニューアルと比べて声のノリがいい。泉野明役の富永みーなさんはもう全然違う。オリジナルの方が元気でいてとても良いです。南雲しのぶ役の榊原良子さんもかなり違います。オリジナルでは声も高くおだやかにリラックスしているように感じ、リニューアルではおしとやかに、大人の雰囲気が一層強くなり諭すようにものを言います。後者はちょうど映画第二弾のときのトーンに近いです。これは押井監督かな。何の根拠もありませんが。後者の方が押井監督の作品の雰囲気にぴったりだし、一言一言が重くなることでその場の空気もシリアスになります。
 音は確かに変わっていると思う。でもね、最初は「変わってんのかなあ。」なんて気にしながら観てはいるけど、結局話に集中しちゃってまったく忘れてしまいます。だから僕にはあんまりわかりません(笑)。
 こう見るとオリジナルの方がいいけれど、全体的な会話のリアリティーはリーニューアルの方が幾分か高いです。それにこっちでは、箱舟突入前で後藤さんが海上保安庁に出頭する際に、南雲さんに一度呼びかけられて「はい?」と返事するところが僕は個人的にとても好きなんです。オリジナルでは「はい。」と普通に返事をするのですが、リニューアルでは「はい?」とわざと語尾を上げて返事をするんです。こういう言葉にしないところでの表現は見事ですし、後藤さんの魅力をこの一言でバン!と表現できちゃってるところはすごい。だから僕はリニューアルの方も捨てがたいです。
 初めて観るのであれば、初めにオリジナルの方を観てみるのがいいかもしれません。これが当時公開されたものですし。もしTVアニメを先に観ていて、後藤さん好きであればリニューアル版を先に観ることをお勧めします。それでこの映画をとても気に入ったら比べて観てみて下さい。何度観たって面白いんですから。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

☆近代史を語れるエンタメお手本作品(仮)

■評価
テーマ性  :★★★★★ 5.0
エンタメ度   :★★★★★ 5.0
シリアス度   :★★★   3.0
脚本巧み度 :★★★★★ 5.0
おススメ度 :★★★★☆ 4.5

■ストーリー
レイバーメーカー篠原重工の天才プログラマーである
帆場暎一が不可解な投身自殺を図る。それと同じくして
東京界隈で原因不明のレイバー暴走事件が多発する。
事件対応に苦慮する特車2課であったが、後藤隊長の
暗黙の命により同課の遊馬が単独捜査に乗り出すが
帆場暎一の自殺には恐ろしい陰謀が隠されていた。
1989年劇場版パトレイバー第一弾作品

■感想
本作は劇場版のエンタメ作品としての出来の良さは随一と断言できます。
1989年作品ではありますが、古臭さや前時代を感じるというよりも
近代史を感じるといった方が分かりやすい作品です。

まず本作で一番に褒め称えたいのは、ストーリー構成・脚本と描写の
完成度の高さでしょう。帆場暎一をめぐる捜査の過程で描かれるキャラ達の
心理描写と展開される真相の動線が非常に分かりやすく、視聴している側も
一緒に真相をおっている様な錯覚を覚えます。また予想の半歩先を行く二段
三段落ちの素晴らしいおケツマツもお見事の一言につきます。
押井監督が作ったとは思えない程パトレイバーらしさを保ち、至極の
エンタメ作品に感じれるでしょう。また作中に登場する『サイバーテロ』
『リコール隠し』といった要素は当時よりも現代の方がその恐ろしさを
実感できる点が古臭さを感じさせない要因の一つでもあり、未だに本作を
視聴していない人に薦めてしまう作品です。

そして本作のテーマですが、個人的には『時代への不満と怒り』だと
思います。まず本作の真相の肝は『犯人の動機』になると思いますが
これを考える前に本作が作られた当時の時代背景を少し語っておいた方が
楽しめると思います。
当時1980年代後半は日本は経済大国といわれる程の経済的な発展を遂げ、
時代はバブル時代へと突入していました。そのため湧き水の様に吹き出る
ほどお金が稼げた上に、大枚ばら撒いて昼夜問わず遊び倒し、量産型T式
パンツを見せながら踊り狂うジュリアナ嬢、飲酒運転、高級車の衝動買い
なんてのも当たり前。また日々自覚できるほどの科学・工業・建築技術
が発展した事で古き物(古き良き物も含む)は壊され、物を大量消費し
大量廃棄する事が正義とされ、人も文化も洗練されていない時代でした。
(これはその時代に生きたお父ちゃまにヒアリングして裏をとっております)

この行け行けどんどんの時代で、果てしない欲の追求と無限の浪費生活を
送る日本人に少なからず倫理観への猜疑心、不満や怒りを漠然と感じて
いた人もいたのではないかと思います。おそらく押井監督もその一人だった
のでは??だからこそ漠然としてみえない不満や怒りを、そのまま形を
なさない動機として犯人に宿し、同時にバブル時代の価値観というものを
間接的に風刺したのではないかと考えています。またこの漠然とした時代
への不満と怒りが、明確な形として描かれているのが次作の劇場版パトレイ
バー2になります。

総じて、この100分程度の劇場版作品に色々な要素を盛り込んだ作品であり
作画も含めて褒める所の多い作品です。お時間のある時にでも気軽に
見てみてくださいまし。

でゎでゎ~ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

やまだ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

★5/不朽のマスターピース

夏の日の1989。なんと31年前。
機動警察パトレイバー the Movie

4DX版が7/17から全国の劇場で公開。
3日間でなんと動員数1万人突破らしい。
やっぱり何回見ても面白いからね。




ヘッドギアという奇跡が産んだロボアニメの究極形

コレは本当にマジで物凄くとても抜群に面白い。
面白いロボットアニメ映画は?と問われれば
これはもう秒でコレ。一択。
ロボ好きを公言している者がもし
万が一にもコレを見ていないということがあれば
そいつの言動はもう以後一切信用しない。
いや見てないなんて絶対あり得ないんだけど。

ロボットアニメだがアクションメインではないので
面白いアニメが見たい人にも手放しでオススメ。
マトモなロボットバトルはラストくらい。
無理矢理とってつけた感があるので、これも多分
押井からすれば無理矢理やらされたんだろうけど。

そして悲しいかな、
この作品に匹敵する押井作品の登場は
もう絶望的だということ。

パトレイバーという作品はヘッドギアの面々により
押井守をある程度コントロール出来る状況下でのみ
発生したケミストリーによるミラクルである。
スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフル
ミラクル。
パトレイバー制作の為に発足したヘッドギア。
押井は途中参加の為、当時既に決まっていた
決定事項について我を通しきれなかった。
押井は主役メカ、イングラムのデザインについて
最初から最後まで納得していなかったらしい。
だが「パトカーは白黒だろ」と当時の常識だった
「主役ロボは派手なカラーリングが望ましい」
を覆した突破力は押井の本分のなせる技である。 
ナンバープレートと指揮車両も個人的にツボ。

ヘッドギアの拘束力でシリアス一辺倒にもできず
学園ドラマのようなコミカルさ、
ロボットバトルのカッコ良さ、
そして何より押井の本領、シリアスなテーマ。

完璧なバランス。

今見てもそこまで古臭さを感じないのは
劇中ほとんどが職務中のシーンであるため
携帯電話を使わないことに余り違和感がないことと
サイバーテロ等のテーマが当時よりも現代のほうが
わかりやすいこともあるかもしれない。



成り行きで乗る事になる他のロボットモノと違って
仕事であんな高価そうなロボットに乗るんだから
宇宙飛行士とか航空機パイロットレベルの
スーパーエリートじゃないとオカシイとか
そんな野暮は言わない。
搭乗者のキャラに合わせて押井がロボを考えたら
多分ヒト型ですらなくなる。
個人的にはそういうのも大好きなんですけどね。
RING of REDのAFWとか、
辰奈1905のトミコローツとか。
でもそれより好きなのは
外骨格、パワードスーツ系。
ALIEN2のパワーローダー、
うすね正俊のコンバットドール、
横山宏のマシーネンクリーガー。
子供の頃、周りがガンプラ買ってたのに
私はSF3D買ってましたからね。
すいません。
このくだりは性癖書きたかっただけです。
こんなのが主役メカじゃ絶対ここまで売れてない。


面白いロボットアニメ(映画)は?
一番好きなアニメ(映画)は?
もう何年も、答えは同じ。
「劇場版のパトレイバー」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
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